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小貫善二の陶芸

土が陶に変化する可能性を素材がかたちになるための造形の成り立ちとして、彫刻とも絵画とも違う造形論理の筋道を造ることで、具体化する。まだ目に見えないかたちの創造、自己の内に在る、矛盾と対立と融合を土が陶に変化する可能性を表現手段を通して創造するエネルギーを小貫は作品に現す。

土をつむぎ削り彫りまた彩色する、小貫の手法は他の陶芸家ならば恐らく採用しない一見、非合理な手法を用いる。しかしそうすることで陶は自在に小貫のエネルギーとフォルムを展開させていく。そしてこの時の彼の作品は動的なダイナミズム、視覚的な造形要素としての役割をも果たし始める。小貫はフォルムを活性化させることに成功している現代陶芸の若き精鋭なのである。

小貫の作品を見る限りでは、日本的感性を突き抜けたところで作陶しているように感じられる。しかし欧米の多くのセラミックアーティストにあるような造形から出発した陶芸ではなく、使う陶器から出てくるフォルムや意匠は、合理的・機能的であると同時に、彩色の取り合わせには華やぎが感取できる。一見矛盾するようないくつもの要素が一つの器のなかに見事に融和している。

「自分の作品は毎年といって良いくらい変わってしまう。それは性のようなもので、自分でも困ってしまうときがある」と小貫は語る。小貫の作品が雲がその形をたえず変えるように、いつも私たちに新しいイメージと絶え間ない運動と衝撃を提供し続けてくれる。 陶芸として完成することが、作品を断定することであればイメージの湧出は当然止まってしまう、カテゴリーが何かをかを問わず、泉のようにイメージを湧かせ続け私たちに絶え間ない運動と衝撃を提供し続けることが作家の仕事であると私は思う。
2004. 08. 12
岡 正治


     
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